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【Django】forms.pyでバリデーションをする【モデルを利用したFormクラス】

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Djangoビギナーが40分で掲示板アプリを作る方法』で作った簡易掲示板はクライアントから受け取った値のチェックを行っていない。

モデルでは投稿できるコメントは2000文字以内であり。入力必須となっているが、開発用のSQLiteはそこまで判定できない。故にこういうことが起こる。

MySQLやPostgreSQL等の本番用のDBではDBが直接エラーを出す仕組みになるが、それでは使用しているDBが何かクライアントに把握されてしまったり、DBに負荷がかかってしまう。

そこで、Formクラスを使用して、バリデーションを行う。

手順

手順は非常にシンプル

  1. forms.pyを作り、models.pyをimport、モデルクラスを利用したフォームクラスを作る
  2. views.pyはforms.pyをimport、フォームクラスでバリデーションを行う

forms.pyを作る

モデルを利用したフォームクラスを作る。まずforms.ModelFormを継承する。

from django import forms 
from .models import Topic

class TopicForm(forms.ModelForm):

    class Meta:
        model   = Topic
        fields  = [ "comment" ]

利用するモデルはTopic、バリデーション対象のフィールドはcommentである。

クラス名はTopicモデルを利用して作ったフォームクラスなので、TopicFormとした。

views.pyを書き換える

views.pyforms.pyimportして使う。

from django.shortcuts import render,redirect
from django.views import View

from .models import Topic
from .forms import TopicForm

class IndexView(View):

    def get(self, request, *args, **kwargs):

        topics  = Topic.objects.all()
        context = { "topics":topics }

        return render(request,"bbs/index.html",context)

    def post(self, request, *args, **kwargs):

        """
        posted  = Topic( comment = request.POST["comment"] )
        posted.save()
        """

        form    = TopicForm(request.POST)
            
        if form.is_valid():
            print("バリデーションOK")
            #保存する
            form.save()
        else:
            print("バリデーションNG")

            #バリデーションNGの理由を表示させる
            print(form.errors)

        return redirect("bbs:index")

index   = IndexView.as_view()

TopicFormの引数にrequest.POSTをそのまま入れる。フォームクラスのオブジェクトであるform.is_valid()メソッドの返り値(TrueとFalse)でバリデーションOKかNGは判定できる

もし、2000文字以上だったり、空欄だったりすれば、返り値はFalseになる。

.is_valid()メソッドを実行して、返り値がTrueであれば、.save()メソッドを実行できる。モデルクラスのものと同じようにDBにデータを書き込む。

ちなみに、フォームクラスのオブジェクトは.errors属性がある。これで、バリデーションNGだった場合、何がNGの原因なのかを知ることができる。

動かすとこうなる。

何も入力せずに送信ボタンを押しても何も表示されない。2000文字を超えたコメントも拒否される。

ログにはこのように書かれてある。

【補足1】モデルフィールドが増えたらどうなる?

Djangoビギナーが40分で掲示板アプリを作る方法』ではモデルフィールドが増えれば、その都度ビューでキーワード引数で入れるフィールドが増えるため、ビューが煩雑になってしまうが、このフォームクラスを使用する方法であれば、モデルフィールドが増えてもビューが煩雑になることはない。

例えば、モデルクラスが下記のように、nameとageが追加されたとする。

from django.db import models

class Topic(models.Model):
    name        = models.CharField(verbose_name="名前",max_length=100)
    age         = models.IntegerField(verbose_name="年齢")
    comment     = models.CharField(verbose_name="コメント",max_length=2000)

モデルクラスを使った保存をする場合、下記のようになる。

posted  = Topic( comment =request.POST["comment"],
                 name = request.POST["name"],
                 age = request.POST["age"],
                )
posted.save()

つまり、モデルのフィールドが増えるたびに、ビューでの保存処理にもキーワード引数が増えていく。これではビューが煩雑になってしまう。

しかし、forms.pyを使う場合、下記のようにバリデーション対象のフィールドとして、モデルクラスに追加したフィールドを追記しておくだけで良い。

from django import forms 
from .models import Topic

class TopicForm(forms.ModelForm):

    class Meta:
        model   = Topic
        fields  = [ "comment","name","age" ]

ビューの処理はそのままで問題はない。comment,name,ageの3つがバリデーションされる。

form    = TopicForm(request.POST)
    
if form.is_valid():
    print("バリデーションOK")
    form.save()
else:
    print("バリデーションNG")
    print(form.errors)

【補足2】アーリーリターンを使う

もし、バリデーションOKの後に何もしないのであれば、先ほどのコードで問題はないが、何かを実行したい場合、コードが見づらくなってしまう。

from django.shortcuts import render,redirect
from django.views import View

from .models import Topic
from .forms import TopicForm

class IndexView(View):

    def get(self, request, *args, **kwargs):

        topics  = Topic.objects.all()
        context = { "topics":topics }

        return render(request,"bbs/index.html",context)

    def post(self, request, *args, **kwargs):

        form    = TopicForm(request.POST)
            
        if form.is_valid():
            print("バリデーションOK")
            form.save()

            #===ここにバリデーションOKの後に実行する長い処理=====


        else:
            print("バリデーションNG")
            print(form.errors)

        return redirect("bbs:index")

index   = IndexView.as_view()

このようにバリデーションOKの後に長い処理を実行する場合、上記のやり方では少々コードが見づらくなる。処理の中で更にifやforなどを実行しようものなら更にネストが深くなり、全体像を把握しづらい。

そこで、アーリーリターンという記法を施す。

from django.shortcuts import render,redirect
from django.views import View

from .models import Topic
from .forms import TopicForm

class IndexView(View):

    def get(self, request, *args, **kwargs):

        topics  = Topic.objects.all()
        context = { "topics":topics }

        return render(request,"bbs/index.html",context)

    def post(self, request, *args, **kwargs):

        form    = TopicForm(request.POST)
            
        if not form.is_valid():
            print("バリデーションNG")
            print(form.errors)
            return redirect("bbs:index")


        print("バリデーションOK")
        form.save()

        #===ここにバリデーションOKの後に実行する長い処理=====


        return redirect("bbs:index")

index   = IndexView.as_view()

バリデーションを行った結果、NGであった場合、そのままリダイレクトの処理だけ実行してお帰りいただく。

もし、条件式に当てはまらなかった場合、つまりバリデーションOKの場合は保存処理と続きの処理を行う。こうすることでネストが深くならなくて済む。

結論

このようにフォームクラスを使うことで、問題のあるデータをDB格納前に拒否することができる。

他にもフォームクラスで作ったフォームオブジェクトをテンプレートに引き渡すことで、HTMLのフォームを表示させることができる。(※もっともHTMLのclass名をサーバーサイドで指定することになるので、フロントとサーバーの分業が難しくなるデメリットがある。)

この先にやること

フォームクラスを使ってデータのバリデーションが出来たら、後はエラーの理由を表示させたり、投稿完了した旨をテンプレート側に表示させると良いだろう。

テンプレート上に投稿完了、エラーなどの表示をさせる

現状では投稿完了したにもかかわらず、その旨が表示されない。そこで、MessageFrameworkを使って投稿完了を表示させる。

DjangoのMessageFrameworkで投稿とエラーをフロント側に表示する

任意のエラーメッセージを表示させる。

上記のやり方ではまだ問題がある。

例えば、『入力必須』『2000文字以内』の2つのルールがあり、いずれでも単に『エラー』と表示されてしまうので、何が問題なのかユーザーはわからないだろう。

そこで、forms.pyのルールに応じて表示させるエラーメッセージを切り替える。これで何が問題なのかわかる。

【Django】任意のエラーメッセージを表示させる【forms.pyでerror_messagesを指定】

モデルを利用しないフォームクラス

主に検索で使用する。

例えば、フォームクラスを使ってのバリデーションがDBにデータを書き込むためのものであれば、モデルを利用したほうが良い。

しかし、モデルには関係のないデータをバリデーションする場合、バリデーションした後DBにデータを格納しない場合などは、モデルを利用しないでフォームクラスを作ったほうが良いだろう。

具体的な例として、年月検索がある。年月検索をする時、月の指定に1~12以外の値を入れるとエラーになる。

#13月は存在しないので、これではエラーになってしまう。
Topic.objects.filter(dt__month=13).order_by("-dt")

下記記事では年月検索をするため、モデルを利用しないフォームクラスを作っている。

【Django】年月検索と、年別、月別アーカイブを表示させる【最新と最古のデータから年月リストを作成(Trunc不使用)】

フォームクラスを使って、フォームのテンプレートを提供する。

ビューのgetメソッドでフォームクラスのオブジェクトを作り、それをcontextに入れてレンダリングすることで、フォームクラスに適したフォームテンプレートをレンダリングすることができる。

まず、ビュークラスにて、下記のようにフォームオブジェクトをcontextに入れてレンダリングさせる

class IndexView(View):

    def get(self, request, *args, **kwargs):

        topics  = Topic.objects.all()
        form    = TopicForm()

        context = { "topics":topics,
                    "form":form
        }

        return render(request,"bbs/index.html",context)

続いて、レンダリング対象のHTMLであるbbs/index.htmlにて下記を追加する。

{{ form.as_p }}

これが下記のようになる。

<p><input type="text" name="comment" maxlength="2000" required></p>

だが、このフォームテンプレートの装飾は容易ではない。下記記事を見るとよくわかる。

Djangoのforms.pyが提供するフォームテンプレートは使わない

管理サイトを作る

データを投稿と閲覧をするためだけに、40分Djangoをこなし、今回のフォームクラスを作るまではやや大変である。

そこで、作ったモデルの操作を行いたいだけであれば、Djangoの管理サイトを使うことで簡単に実現できる。

Djangoの管理サイトは非常に強力で、カスタマイズも容易にできる。開発初期の段階で覚えておくとデータ入力が楽になるだろう。

ちなみに、フォームクラスを管理サイトに与える事もできる。

Djangoの管理サイト(admin)のフォームをforms.pyを使用してカスタムする【文字列入力フォームをtextareaタグで表現】

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